(ニ次元ドリーム文庫)僕の幼なじみがキャバ嬢なわけがない
なんというキャバクラライフ(挨拶)
さてこの作品、実は当初の発売が1月頃だったんだそうですが、色々の事情があって発売日が延びに延びて、4月発売となったという曰くつくの作品です。
そのせいなのか分かりませんが、表紙と挿絵で担当している絵師が違います。イラスト買いする方はKTCの公式サイトのサンプルシーンでしっかりとチェックすることをオススメします。
ちなみに表紙の光星氏は美麗系、挿絵のNo.ゴメス氏はプニロリ系の絵柄です。お気に召しましたら、是非。
そんなこんななこの作品は、キャバクラが舞台という変わったおはなし。性風俗をメインに取り扱うのって、私的には結構珍しいと思います。何故なら、そういうのってそーいうのが(おおっぴらにはできないですが)あるじゃないですか。つまりあっても不自然じゃないんですよ。
ありえないからこそ面白い学内エッチとかファンタジーが主流の中、こういうのは結構目を惹きますよね。まぁあとタイトルですが、これは今更突っ込むこともないでしょう。もはやこーしたお遊びはギャグみたいなもんですしね。
それでは肝心のあらすじですが
叔父の経営しているキャバクラで小さい頃からアルバイトをさせられていた主人公・三条光一郎は、近所に出来たキャバクラ店の偵察を叔父より命じられる。しかしそこにいたのは、小さい頃に引越しで別れたっきりになった幼なじみ・奈野川優美子の姿があった。
彼女との再会を皮切りに、何故かライバル店のキャバクラ嬢たちに気に入られた光一郎は、次々とエッチな接待を受けることに……。
彼女との再会を皮切りに、何故かライバル店のキャバクラ嬢たちに気に入られた光一郎は、次々とエッチな接待を受けることに……。
結論から言いますと、キャラ単体の魅力・エロシーン単体の実用度は良好です。しかし、5人という大所帯のヒロインを経験しなければならない問題があるためか、作中の丁寧さに欠けます。
まず、主人公がヒロインに惚れられている要因や理由が希薄なこと(優美子は例外)、次にエロスになだれ込む展開が強引なこと。あとは最後のシメとかライバル店の経営方針自体に難があることでしょうか。
一つ目に関しましては、これはもはやこの作者である大熊さんの特色としか説明できないと思います。以前大熊さんの書いていた「お嬢様メイド部」もそうでしたが、エロシーンが優先されてストーリーの丁寧さが多少欠けているみたいです。無理矢理言うのならば、美少女文庫で言う河里一伸さんに立ち位置が似ているでしょうか。
二つ目は、(これを言ったらオシマイだと思いますが)キャバ嬢がおいそれと客にエッチなサービスしていいんでしょうか、というもの。もうちょい自然とエロシーンに流れられるような展開をしてもらいたかったですがね。
例えば最初のエロシーンはお姉さんタイプのキャバ嬢・真由さんなんですが、光一郎を接待していたときに股間へウィスキーをこぼしてしまい、それを拭こうとしたらあらあらまぁまぁとなり、そのままパイズリに移行するんですが……、いくら他の客や従業員の注意が逸れてるからって、こりゃ無茶がすぎるでしょう。その後も何故か更衣室でフェラとか、本来なら入れないVIPルームでの情事とか、普通だったらキャバ嬢とおいそれできないエッチをさせるために強引な展開をもってきます。前述しましたが、エロシーン単体は実にいいんですよ。だから、なんかもったいないなーと思ってしまったわけです。
三つ目はネタバレになってしまうんで書けませんが、ぶっちゃけいえばご都合主義的すぎる設定だったりオチだったするんですよ。これをどう捉えるかで、この作品の評価は変わることと思います。
……なんていうとこの作品がかなりボロクソな出来みたいに思われるかもしれませんが、幼なじみの優美子の可愛さとか、桜乃の心地良いお嬢様然とした態度とか、甘えん坊な真由とか、前述した通りキャラ単体の魅力は抜群に良いです。
ストーリーとか設定とかには目をつむり、純粋にエロスへ耽るのがこの作品との付き合い方でしょうか。
参考になればと思います。
──総 評──
キャラクター:★★★☆☆+
ストーリー:★★☆☆☆
エロス:★★★☆☆+
イラスト:★★★★☆(挿絵の評価)
ニ次元ドリーム文庫での紹介