(美少女文庫)月下の巫女
顔の○い月……?(ヲイッ)
さた、そんな「月下の巫女」ですが、今回は今までの作風とちょっと感じが違うと思いました。
というのは、ヒロイン・月島乃乃香の狡猾さと主人公・藤村朋也の凶暴さにあります。
乃乃香は月島家の呪いともいうべき性質をもってしまったため、とにかく誰かとセックスをしなければならないのですが、それに白羽の矢を立てたのが朋也でした。けど、彼女は彼にそのことを話しません。言うなれば、自分の命を永らえさせるために彼を利用したわけです。
「セックスという行為をするためだけに利用しようとした」というヒロイン像は、わかつきさんのデビュー作「いもうと~SWEET&BITTER~」の可菜に通ずるところがあります。
一方朋也も、そんな乃乃香に利用されている──つまり愛のないセックスを強要されたことで苛立ち、彼女にハードなプレイを施すことになります。これも「いもうと~SWEET&BITTER~」の徹にどことなく似ています。
そういう意味では「原点回帰」と言ってもいいのかもしれません。最後も二人はちゃんと互いに向かい合って理解を深め、相思相愛の関係になっていきます。
お堅い風紀委員な乃乃香も、セックスを通じて朋也との距離を縮めたことでどんどん柔らかい女の子に変わっていく様は、読んでいて結構ニマニマできる展開でした。潔癖症な彼女が鉄板のマゾ娘へ変貌するのも好印象ですし、徐々に恋心が芽生えていくのも素敵だなー、と思います。CARNELIANさんの描く黒髪ヒロインも神秘的に見えて、ポイント高しですよw
でも私が気になるのは、ここのところ主人公が抱えてるヘタレ問題なわけでして。
朋也は乃乃香との関係が期限付きのものだと思い込んでいました。相手の乃乃香は真摯に朋也に好意を向けているのに、彼は自信のなさからそんな思い込みを抱くわけです。
最近のわかつき主人公は自信がないからと人(ヒロイン)の話をちゃんと聞かないことが多いんですが、今回の朋也はそれが顕著だったような気がします。
もっと自信満々の強気な主人公って、いませんかね? でも主人公をこー設定してヒロインが引っ張っていけるようにしたほうが、物語的に面白くなるのは分かるんでしょうがないのかもしれませんね。
あとどーでもいいですが、最後の挿絵に出てきた朋也の姿、結構凛々しかったですねw
さて恒例にしようかと思いつつある、名台詞と挿絵ベスト3の発表です。
名台詞編
39頁『嫌いなタイプだったら、こんなコトしないわよ』(乃乃香)
109頁『少し好きではじまった関係を、大好きに変えるのはお互いの努力ですよ』(乃乃香の祖母)
246頁『私って、期待しちゃダメなのかな? 朋也くんの恋人のつもりだったんだけど』(乃乃香)
挿絵編
86頁、99頁、179頁
ところでこの作品、特定の書店で購入するとメッセージカードとわかつきさんからのバレンタインチョコレートが貰えるスペシャル仕様だったらしい。
私は手に入れられませんでしたよ。HAHAHA.リア充実○ね(コラッ)
──総 評──
キャラクター:★★★★☆
ストーリー:★★★★☆
エロス:★★★☆☆+
イラスト:★★★★☆+
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読み人知らず。
最後よけりゃ全てよし、は私も思っていることではありますが、今回の朋也に関しましてはなぜかヘタレたところが気になってしまったんですね。わざと強調するようにしたのか、それともただ単に私が今回そう思っただけなのか……。
気にはなるところですが、まぁ乃乃香さんが許したんだしそれでいいじゃないですか。そーいうことにしましょうw
ほほほ。